2015年12月8日火曜日

大阪大学歴史教育研究会・院生報告 《世界史の中の西洋史》

大阪大学歴史教育研究会第92回例会につきまして、以下の通りご案内申し上げます。

なお、詳細につきましては、(当会ではなく)大阪の歴史教育研究会(→リンクは右記)のホームページをご覧ください。

また、大阪の歴教研はセミクローズド形式ですので、初参加の方は、公式ホームページより「初参加の方へ」というページをご覧ください。


日時:2015年12月19日(土)13:00~18:00

*タイムテーブルの都合上、通常より開催時間を早めておりますのでご注意ください。

会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室

プログラム:
院生グループ報告 《世界史の中の西洋史》

(1)Aグループ:今泉奏(共生文明論M1)・竹中詩穂(日本史M1)・方園(東洋史M1)・森下瑶子(西洋史M1)

「「ローマの平和(パクス=ロマーナ)」とユーラシア大陸」

【報告要旨】
「ローマの平和(パクス=ロマーナ)」とは、ローマ帝国の支配下における地中海世界の安定と繁栄を指す言葉で、アウグストゥスの治世以降の約200年間を指す。「パクス=ブリタニカ」や「パクス=アメリカ」のように、この言葉から派生した用語は数多く、その世界史における貢献は少なくないように思われる。しかし、現行の「世界史A」の教科書を見れば、この単語自体はそれほど重要視されていない。なぜ教科書ではこのような記述をしているのか、その背景にはどのような研究動向が存在するのだろうか。その理由を考察するため、本発表では、まず「ローマの平和」やローマ帝国そのものがこれまでどうとらえられてきたのか、当時の社会背景と絡めて研究史を紹介する。次に、新しい研究成果を踏まえ、現代における「ローマの平和」像を提示する。その際には環境学の知見も参照しつつ、ユーラシア大陸全体における「ローマの平和」の姿を描いてみたい。


(2)Bグループ:明山曜子(東洋史M1)・高垣里衣(西洋史M1)・平田良行(日本史M1)・松本智憲(西洋史M1)

「流転する〈ルネサンス〉‒背後にあるものは?‒」

【報告要旨】
〈ルネサンス〉と聞いて思い浮かぶことは何でしょうか?多くの人達が学校で「〈ルネサンス〉とは『再生』を意味し、イタリアを中心に14~16 世紀に起こった文化運動」というように習うと思います。しかし〈ルネサンス〉は「14~16 世紀」の「イタリア」を中心に起こった、この時期“だけ”の文化運動なのでしょうか?また、〈ルネサンス〉はヨーロッパの中で“のみ”起こった文化運動なのでしょうか?「〈ルネサンス〉とは何か?」すなわち〈ルネサンス〉が「持つ意味とは何か」ということよりも、むしろ〈ルネサンス〉に「いかなる意味を持たせるのか」ということに重点を置いて〈ルネサンス〉を捉えてみるとどうでしょうか?一見独立した事象に写るものごとが、つながって見えてきませんか?そこで研究動向を踏まえ、また教科書の内容と比較することによって〈ルネサンス〉を世界史全体の中で、立体的に捉えていこうというのが今回の試みです。


(3)Cグループ:安東峻(日本史M1)・浮田怜奈(東洋史M1)・田村亨(日本史M1)・道越奈苗(西洋史M1)

「フランス革命をどう記述していくか」

【報告要旨】
本報告では、新しい研究成果をフランス革命に関する教科書記述の全体的な潮流のなかにどのように位置づけていくか、という観点から、世界史Aの教科書におけるフランス革命に関する記述について言及し、その問題点や課題について考察を加える。発表の構成としては1.フランス革命の評価・位置づけ、2.フランス革命と人権宣言、3.フランス革命とラテンアメリカ、の三章立てとする。1において、フランス革命についての研究史上の新しい動向、位置づけについて整理した上で、実際に検討を行う。まず、2では特に「人権宣言」について、近代にまで波及する画期性にも目を向けつつ、一方で排除された人々など同時代的な「限界」についても言及していく。3ではフランス革命の動きと大きく関連するハイチ革命について取りあげ、その展開、影響、意義について世界史的な観点から検討し、フランス革命の相対化も試みる。そして最後に本報告のまとめとして,今回の考察を踏まえた新たな教科書記述を提案したい。


第3回同志社グローバル地域文化学会学術講演会

直近のご連絡になってしまいまして、申し訳ありません。
同志社大学での学術講演会のお知らせとなります。

「新しい世界史」や「グローバル・ヒューマニティ」など、直接お話しを伺える貴重な機会とのことです。


第3回同志社グローバル地域文化学会学術講演会
「自と他の弁証法―グローバルな人文社会科学は必要か?」

日時:12月9日(水)15:00~17:00(開場14:45)

講師:羽田正(東京大学東洋文化研究所教授)

場所:志高館(SK)119教室
    地下鉄烏丸線今出川駅1番出口より北に徒歩5分
※入場無料・事前申込不要

主催:同志社大学グローバル地域文化学会
問合せ:同志社大学グローバル地域文化学部事務室
TEL:075-251-2610

詳しくは下記ウェブサイトをご覧ください。

同志社大学グローバル地域文化学部サイト
http://gr.doshisha.ac.jp/news/2015/1020/news-detail-88.html

同志社オフィシャルサイト
https://www.doshisha.ac.jp/…/20…/1021/event-detail-1464.html
https://www.doshisha.ac.jp/…/2015/1020/news-detail-2824.html