2016年5月5日木曜日

大阪大学歴史教育研究会のご案内


大阪大学歴史教育研究会より、第96回例会のご案内をいただきましたので、お知らせ致します。
詳細につきましては、右記のリンクをご覧ください。
また、参加ご希望の方は、当会ではなく、阪大歴敎件(担当:高木純一さんrekikyoken◎gmail.com *◎を@としてください)までご一報ください。


大阪大学歴史教育研究会より、第96回例会

日時:2016年5月21(土)13:30~17:30

会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室

プログラム:

【1】藤村泰夫(「地域から考える世界史プロジェクト」代表・山口県立宇部西高等学校教諭)

「地域から考える世界史」と今後の歴史教育―「歴史総合」「探求世界史」「探求日本史」での活用について―

【報告要旨】
1「地域から考える世界史」の歴史教育における意義、
(1)「地域から考える世界史」とはどのような学習か
 ①身近な地域にある世界史につながる史実の学習
 ②身近な地域に在住する外国人などから聞き取り調査を行い、彼らの持つ歴史(歴史的体験含む)や文化の学習
 ③身近な地域にある史実の中に、世界史を見出す学習(史実の比較など)
(2)「地域から考える世界史」の成立経緯と高校生の歴史認識
 高校地理歴史部の研究活動と高校生の歴史認識の変容
(3)「地域から考える世界史」プロジェクトの活動とその意義
 日本列島各地での中高生対象のセミナー(荒尾、堺、山口、大分、敦賀)

2 「地域から考える世界史」と今後の歴史教育
(1)「地域から考える世界史」の授業実践
 身近な地域の史実を世界史の中で考える授業(周防における重源の東大寺再建活動の世界史的意味)
(2)「地域から考える世界史」と歴史的思考力                      

以上のことをパワ-ポイントやDVなどの映像を使って、具体的な事例をあげて説明していきます。


【2】村井良介(神戸大学地域連携推進室学術研究員)

「戦国大名権力研究の視角―戦国期の特質をめぐって―」

【報告要旨】
 戦国期は中世と近世の転換期にあたる。このため従来の研究では、とくに在地領主の体制的否定を指標として、近世のあり方を基準に、戦国大名を評価する傾向が強かった。
 一方、私的・実力的支配を基軸とする在地領主制の最高の発展段階として戦国大名を位置づけたかつての大名領国制論に対して、1980年代頃からは、戦国期守護論や「自力の村」論など、大名権力の公権としての側面を重視する研究が進展した。とくに後者では、自力の否定による平和の実現を重視し、中世の暴力的支配に対して、近世には法的支配が成立する点を強調した。この支配の性質の変化が、中近世の移行に結びつけられる傾向が強まった。
 しかし、暴力的・私的支配と法的・公的支配を対極に置く二元論や、後者の属性を近世権力に割り当てて、そこに至る過渡期として戦国期を位置づける見方には問題点も多い
 本報告では、戦国期に特徴的に出現する戦国大名、戦国領主の権力構造から、戦国期の特質を論じ、そこから歴史における暴力と法の問題を考える。

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