2016年6月9日木曜日

授業の課題から歴史新科目の構想へ

 近現代史教育研究会の皆川みずゑ先生より、下記の通り、第203回例会のお知らせをいただきました。
どなたでも参加自由とのことですので、初めての方もふるってご参加下さい。


第203回近現代史教育研究会例会のお知らせ



日時  2016年7月9日(土) 午後3時〜6時

会場  成蹊中学・高等学校 中会議室(中央館2階)

報告者 報告者:日髙智彦氏(成蹊中学・高等学校)

テーマ 「歴史が科目になることの意味 ― 授業の課題から歴史新科目の構想へ」

参加費 500円(資料代・郵送費など)

趣旨

 2006年の世界史未履修問題から10年が経つ。この10年間は、大学の歴史学者・教育学者と高校教員との協同がすすみ、高校歴史教育について活発な議論が起こった。これは、学習指導要領改訂に向けての中教審の審議にも影響を与え続けている。新学習指導要領における歴史新科目「歴史総合(仮称)」には、現場からの課題のいくつかが反映されたものとなるだろう。

一方、現場からの課題としての「グローバル化」、「思考力」、「主体的」、「協働的」、「アクティブ・ラーニング」などは新自由主義の概念でもあり、一見ボトムアップに進む議論も、新自由主義・新保守主義に回収される危険性をはらんでいる。例えば、生徒を学習の主体とするアクティブ・ラーニングも、「カリキュラム・マネジメント」によって「◯◯スタンダード」のように画一的に導入されては本来の意味を発揮できないのではないか。

 このような構図の中で、私たち高校教員は、いま、どのような歴史教育が必要なのか、日々、目の前の生徒から問われている。歴史新科目が意味あるものになるかどうかは、ここにどう向き合うかにかかっている。本報告では、このような問題意識から、歴史新科目をめぐる論点を私なりに提出してみたい。そこでは、歴史が科目となることが争点となるだろう。これは、前回(202回)でも示された新科目への「不安」の中で、一歩を踏み出すための論点でもある。(日髙智彦)

参考文献

・『歴史評論』781号(2015年5月号)「特集:高校世界史から市民の世界史へ」
・『歴史評論』791号(2016年3月号)「特集:安倍政権の教育政策と歴史教育の未来」
・『歴史学研究』937号(2015年増刊号)「大会報告:〈特設部会〉地域から世界へ——危機の時代の歴史教育を考える——」
・『歴史学研究』 939号(2015年12月号)「大会報告批判」

連絡先

150-0012 東京都渋谷区広尾3−7−16
東京女学館中学高校 社会科   許 暁静(もと あきしず)
メール a.moto◎tjk.jp  (* ◎は、@としてください)

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